実際に科学的根拠が示されたコエンザイムQ10の効果を紹介。

ここでは、コエンザイムQ10の有効性の臨床結果をいくつか紹介します。
もともと医薬品で利用されていた成分なので、多数の効果が認められています。

有効性の臨床結果の紹介。

エンザイムQ10は、アンチエイジングや美肌、ダイエット、疲労回復など多くの効能がいわれています。

これまでに、多くの臨床試験を実施し、有効性が証明されています。
臨床試験は、実際に実験を行っての結果なので、非常に信頼性が高いデータです。
((独)国立健康・栄養研究所のデータを一部転載しています。)

循環器・呼吸器

心臓関係の治療薬としても、用いられていることもあり、高い効果を発揮します。

経口摂取で、うっ血性心不全に対して、有効性が示唆されている。

高血圧又は心疾患を伴ったⅠ型及びII型糖尿病患者127名(46-90歳)を対象に、コエンザイムQ10(製品)を30-60mg/日、平均4ヶ月間投与したところ、安静時心電図でST下降が改善され、また、STスコアは減少し、自覚症状(胸部不快感、胸部不安感胸部圧迫感、動悸、息切れ)が改善され、主治医の効果判定では、「やや改善」以上の効果が認められたという報告がある。

左心室拡張期機能障害のあるII型糖尿病患者74名を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、コエンザイムQ10 200mg/日とfenofibrate(高脂血症治療薬) 160mg/日を単独もしくは併用で6ヶ月間摂取させたところ、心臓の左室拡張能に影響は認められなかったが、併用群で収縮期血圧の低下、単独摂取群で拡張期血圧の低下が認められたという報告がある。

心室性期外収縮患者15名(14-69歳)を対象に、コエンザイムQ10(製品)を1日に60-90mg、6-12週間投与し、4週間の休養期間を設け、観察期、投薬期、休薬期の各時期にホルター心電図を施行したところ、自覚症状が改善し、また心室性期外収縮に対する効果を認めたという報告がある。

健常若年者10名(21-34歳)、心疾患のない高齢者10名(59-75歳)、虚血性心疾患患者22名(46-73歳)を対象とし、コエンザイムQ10(製品)を1日に30mg-90mg、4週間投与したところ、血清コエンザイムQ10濃度は上昇し、虚血性心疾患患者において30-90mg/日の投与はPEP/LVET比、心電図所見の虚血性ST・T変化を改善したという報告がある。

心疾患男性患者10名(30-67歳)を対象として、コエンザイムQ10を1日に30-120mg、3週間ずつ投与したところ、左房径、左房収縮終期径は60mg以上の投与条件において減少し、僧帽弁後退速度は増加したという報告がある。

心疾患患者9名(32-75歳)に、コエンザイムQ10(製品)を1日に30-60mg、4-13週間投与したところ、60mg投与条件において左房径、左室収縮終期径、左室拡張終期径が減少し、僧帽弁後退速度、左室駆出分画、平均左室心内円周収縮速度が改善されたという報告がある。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者で慢性肺性心症を合併している9名(39-70歳)に、コエンザイムQ10を1日に30mg、1ヶ月(加療中の3名には3ヶ月間)間投与したところ、駆出率と僧帽弁後退速度が上昇したという報告がある。統合失調症患者94名(22-55歳)にコエンザイQ10(製品)を1日に30-60mg、それぞれ1年間投与したところ、1日に60mg投与すると血清コエンザイムQ10濃度が正常値まで回復し、心電図のT波の非特異的異常波形が改善される傾向にあったという報告がある。

経口摂取で高血圧に対して、有効性が示唆されている。

高血圧または心疾患を伴った糖尿病患者73名(平均年齢63.8歳)に、コエンザイムQ10(製品)を1日に30mg、平均22週間投与したところ、拡張期血圧、心拍数が低下し、また、自覚症状が改善されたという報告がある。

心不全患者8名(33-69歳)に、コエンザイムQ10(製品)を1日に60mg、8週間投与し、投与前-投与後8週目に臥位エルゴメーターによる運動負荷を行ったところ、SV(stroke volume:1回排出量)、CO(cardiac output:心拍出量)、EF(ejection fraction:駆出量)が増加し、多少なりとも自覚症状の改善が認められたという報告がある。

NYHAIおよびII度の虚血性心疾患15名(48-77歳)に、コエンザイムQ10を1日60mg、平均12週間経口投与し、20°臥位自転車エルゴメーターを用いて50 watt 3分間と、100 watt 3分間を連続して行う簡易二段階負荷を行ったところ、運動負荷後の収縮期血圧が上昇し、前駆出時間の指標(QE0)が短縮され、心収縮機能の指標(E波高)が上昇し、一回拍出量および心拍出量の指標(E/E0IIA およびE/E0IIA・HR)が増加したという報告がある。

糖尿病・内分泌

まだ基礎的な研究での結果ですが、糖尿病への有効性も示されているようです。
今後の更なる研究に期待がかかります。

まれな糖尿病の一種であるミトコンドリア遺伝子異常糖尿病(MIDD:maternally inherited diabetes and deafness)による進行性インスリン分泌障害、運動不耐、聴力損失を防ぐ可能性が、幾つかの初歩的で基礎的な研究で示されている。

生殖・泌尿器

男性の生殖機能への効果は、まだまだ一般的には認知されていないようですが、ここでもコエンザイムQ10は効果を発揮するようです。

乏精子症患者39名(平均年齢35.6歳、平均不妊期間61.7ヶ月)を対象に、1日にコエンザイムQ1060mgを12-16週間摂取させたところ、精子濃度、総精子数、総運動精子数が上昇し、高度乏精子症群では運動率も上昇したという報告がある。

脳・神経・感覚器

ついつい美容ばかり注目されがちなコエンザイムQ10ですが、非常に治療が難しい病気に対しても有効性が示されている優れた成分のようです。

ミトコンドリア脳筋症の治療に、有効である(64)。コエンザイムQ10の6ヶ月にわたる投与は、全てではないが一部の遺伝的あるいは後天的なミトコンドリア性機能不全による疾病患者の症状を軽快させると思われる。

筋ジストロフィーの治療に経口摂取で、有効性が示唆されている。

パーキンソン病の治療に対して、有効性が示唆されている。

初歩的な知見で、片頭痛の予防に有効な可能性がある。

難治性起立性調節障害患者100名(平均年齢37.8歳)を対象に、1日にコエンザイムQ10(製品)を30mg、3-13.5ヶ月摂取させたところ、自覚症状で83%、心電図TII波の異常で50%、Schellong試験で82%に改善が見られたという予備的な報告がある。

免疫・がん・炎症

まだまだ研究段階ですが、コエンザイムQ10と各種栄養素との併用で、癌の治療に役立つ

HIV/AIDS患者の免疫機能を向上させるのに経口摂取で、有効性が示唆されている。

初歩的な知見で、進行した乳がんに対して、手術や化学療法、抗酸化物質、n-3脂肪酸、n-6脂肪酸と併用でコエンザイムQ10は治療を助ける可能性がある。

試験管内・動物他での評価

実際に人間で確認された効果ではありませんが、試験管内や動物実験等で理論的に証明されたコエンザイムQ10の効果です。

脂質の抗酸化作用を持つので、細胞膜を酸化から保護し、ビタミンEを節約する。

薬として大量に投与すると、動脈硬化や高血圧(メカニズムはステロイドホルモンのアルドステロンへの拮抗作用による)にも有用とされる。

免疫細胞や白血球の作用を高める。

免疫増強作用がある。

精子を活発にする。

糖質をエネルギーに変えて血液中の糖分を減らす。

酸素の利用効率を高める。

臓器移植の際の心臓、腎臓、肝臓などの臓器を摘出時の虚血状態に対し強くする。

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